白内障手術適応について

当院での白内障手術適応は、

視力障害が白内障によると思われるもの

白内障以外の病気で視力が低下していると思われる場合は、白内障手術をしても視力は改善しません。そのため、白内障手術は行えません。

白内障による視力障害で、日常生活や仕事で不自由を感じるもの

白内障があり視力が低下していても、ご本人が特に生活や仕事上で不自由を感じていない場合は手術をする必要はありません。

白内障手術に耐えられる体調のもの

白内障手術といっても、緊張により血圧上昇が起きたり、狭心症発作を起こしたりします。ですから脳卒中を起こして6カ月以内の患者さまや、心筋梗塞を起こして6カ月以内の患者さまや、持病が安定していない患者さまは手術することはできません。
また、局所麻酔で行う手術なので、ひどい認知症など手術中にこちらの指示に従えず、急に動いてしまう患者さまは手術できません。

白内障手術による危険性などの説明を受けたうえで、当院での手術方法に賛同し当院からの指示にしたがっていただけるもの

手術をどのようにするか、手術による危険性はどのようなものがあるか、当院では時間を取って説明するようにしております。その説明を理解し、同意書に署名していただいた患者さまを手術しております。術後の危険を回避するために、術後は当院からの指示に従っていただけなければ困ります。勝手な思い込みで手術後に眼薬もささずに、無理な療養をして感染などの合併症を起こさないためには、こちらからの指示に従っていただくことがどうしても必要になります。このことを守れない患者さまは手術を受けることができません。

手術日にどなたかと一緒に来院し、どなたかと一緒に帰宅できるもの

手術後は、手術をした目に眼帯をして片目で歩くことになります。片目で歩くことは、特に高齢の患者さまには難しいものです。
ですから当院では、手術後の転倒や打撲でせっかく手術した目が見えなくならないように、手術前後の通院はどなたかと一緒に来ていただくこととしております。もしも無理な患者さまは安全のため 入院できる眼科をご紹介いたします。

持病を持っている方は、主治医が白内障手術の許可を与えたもの

白内障手術といえども、危険はあるものです。主治医の先生の許可がないと、無理に手術は行えません。当院では、積極的に主治医の先生と手術前に診療情報のやり取りをして情報をいただき、手術時の安全確保に努めております。

手術することにより得られる利益と、手術することによる危険性を比較して、利益が上回る場合

たとえば、糖尿病でかなり血糖が高い患者さまにひどい白内障が発生して眼底が見えなくなってきた場合は、すぐに手術をするか、血糖が下がってきてから手術をするか迷う場合があります。白内障の程度があまりにひどく、白内障が溶けてきて緑内障になる特殊なケースがまれにあります。そのようになりそうな白内障の患者さまの手術を血糖が良くなるまで待っていると、血糖が良くなった時には緑内障になり、眼圧が高く、すでに白内障手術をしても手遅れということもございます。
このようなケースは、手術をする利益が危険性を上回りますので血糖が悪くても手術をすることになります。